Staff Blog

2020/06/05

フォルクワーゲンのお話し。国民車構想について。

フォルクスワーゲンの国民車構想、それは1934年にフェルディナンド・ポルシェ博士の提案から始まりました。 当時のドイツ政府からの要請に端を発したプロジェクトですが、そこには現代の自動車開発の原点ともなる考え方がありました。 1930年代、自動車は一部の特権階級だけに許された贅沢品であり、一般的な国民にとっては、自分の意志で自由に 長距離を移動するということは現実的なものではありませんでした。 そこで「国家を支える国民のための自動車であってこそ文明の利器であり、 生活を繁栄させてくれる国民のための自動車を作るべきである」という考えに至ったのです。
それは、「私の考える小型車は大型車のミニチュア化ではない。普通の大きさを持ち、かつ軽量な実用車である。 大型車のミニチュア化は最も簡単な方法だが、乗り心地や安全性を犠牲にし、結局は高い自動車となるのだ」というものでした。
その自動車作りのためにフォルクスワーゲンが重視したものは、「品質」「質実剛健」「信頼性」「機能性」「経済性」という5つのキーワードです。 もちろんこれらは現代のフォルクスワーゲン車に生かされ、これこそが世界中の自動車メーカーのベンチマークとなる所以でもあるのです。
※ 「フォルクスワーゲン(Volks-Wagen)」を、英語で表現すると「People's Car」なんですね。 空冷水平対向4気筒エンジンをリアに搭載して後輪を駆動するレイアウトは、その後のポルシェのスポーツカー 「356」、「911」へと引き継がれていきました。
つづく・・・
余談ですが、ポルシェ博士はファーバーカステルのペンシル、「カステル9000番」をビートルのデッサン、スケッチの際に使っていたそうです。
ファーバーカステル社は歴史が古く、1761年カスパー・ファーバーがニュールンベルグ郊外のシュタインで鉛筆の製造を開始したのが始まりです。1851年に現在の鉛筆の常識となっている六角形デザインが発表され、この鉛筆の「長さ・太さ・硬度」が世界的基準となりました。プロイセン当時のビスマルク首相がその原型を愛用し、あの名車の生みの親ポルシェ博士のデッサンに用いた「カステル9000番」は誕生から100余年を経た今もなお変わることなく称賛を集めています。ファーバーカステル社は筆記具界のベンチマークですね。

ブログ屋さん(年中無休) ブログ屋さん

プロフィール →