大衆車からチャンピオンカーへ
こんにちは!サービステクニシャンの庄司です。
引き続き、富士モータースポーツミュージアムで4月8日まで展示されているラリーの名車をご紹介。
今回はフィアット131アバルトラリーです。
ベースとなるフィアット131ミラフィオーリは1974年から84年まで生産されていた小型乗用車です。
ボディタイプは2ドアと4ドアのセダンのほか、ワゴンボディのファミリアールも用意されていました。
当時フィアットグループ内でのラリー活動はランチア・ストラトスがワークスとして参戦していましたが、その特殊性から市販車のマーケティングに対する影響力が弱いこともあり、マーケティングの面でも影響を与えられるストラトスに変わる新たなマシンを登場させる必要性がありました。
そこで、発売当初から販売も好調だった131ミラフィオーリの販促活動を兼ねる目的でニューマシンの開発を行うことになります。
そんな131ミラフィオーリをベースにグループ4カテゴリーのラリーカーとして開発されたのが131アバルトラリーです。
131アバルトラリーは8か月の開発期間を経て76年4月2日にホモロゲーションを取得、ホモロゲーション取得に必要な400台を超えて1000台以上が生産されました。
アバルトラリーのボディデザインはカロッツェリア・ベルトーネの手によるもので、2ドアセダンをベースに前後のバンパーをカット、前後のオーバーフェンダー、ボンネット、トランクリッドはFRP製、ドア外板にアルミニウムを採用して軽量化、フロントにはエアダム、ルーフエンドとトランクリッドにはスポイラーを追加、元々5リンクリジッドだったリヤサスペンションをマクファーソンストラットに置き換えるなど、ラリーで戦うための変更が加えられています。
エンジンは名エンジニアのアウレリオ・ランプレディ氏が開発した通称『ランプレディユニット』の1995cc直列4気筒DOHC16バルブを採用、ホモロゲーションモデルではウェーバー34ADFキャブレターを採用して140psを発生、5速マニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動します。
76年の第6戦でWRCにデビューした当初のランプレディユニットは、ウェーバー48IDFツインキャブレターのウェットサンプ仕様で、最高出力215〜230ps/7500rpm、最大トルク23kgm/575