2024/07/08
車のパーソナルスペース
こんにちは(*´▽`*) VW日野万願寺 岩田遥奈です。
30度を超える日が続き、本格的に暑くなって参りましたね。
皆様ご自愛くださいませ。
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"パーソナルスペース"という言葉をご存じでしょうか。
Sommer(1959)によると、「人が持つ自分の身体を中心とする個体空間で、
個人の身体を取り囲んでいる目に見えない体の延長で境界線を持った領域であり、
侵入者が入る事を好ましく思わない個人的な領域である」と定義されています。(佐藤,2020)
学生時代に心理学を専攻しておりまして、こういった内容に興味があるのですが、
"乗車中のパーソナルスペースについて"研究されている論文を見つけたので、ご紹介させてください!
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◎実験内容
大きさの違う三種類の車を用意。(小型:軽自動車、中型:ミドルセダン、大型:ワゴン車)
・実験参加者は中型の自動車に乗り、
自車が停車している状態で
後ろから小型or大型が接近してくる、被接近条件と
停車している小型or大型に自車が接近する、接近条件の2パターンで
それぞれもう近づいてほしくない(近づきたくない)位置で合図をし距離を測定。
※両条件ともクリープ現象での接近であった。
・距離の測定は、実測距離は1試行ごとに2度測定し、平均値を測定値とした。
また、推定距離として参加者にどのくらいの距離で止まったと思うか
を参加者が口頭で回答して記録した。
◎結果
・実測距離の場合、軽自動車・ワゴン車ともに
被接近条件の方が測定距離が大きかった。
→自分が近づくよりも近づかれたくない
・接近条件の場合、前にいる車が軽自動車だと自分が思っているより近づいていて、
ワゴン車の場合だと自分が思っているより遠くなる。
・被接近条件の場合、実際は遠くにいるのに近くにいると感じている。
・前車または後車がワゴン車の場合、実際の距離よりも近くにいるように感じる。
・軽自動車、ワゴン車どちらの場合でも、近づくより近づかれたくない。
そして軽自動車よりもワゴン車の方が接近したくなく、されたくない。
という結果であった。
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こちらの実験によって車の大きさや、接近状況(近づく側か近づかれる側か)などが
パーソナルスペースの大きさに影響することが示唆されたそうです。
この論文の筆者は、近づかれる場合だと判断を相手にゆだねる事からあおり感を感じやすいことや、
適切な距離を取っていたとしても前車のドライバーは圧迫感を感じてしまうのではないか
と考察しています。
相手が違った受け取り方をしていたり、
無自覚のうちに不快感を抱かせてしまったりということは
日常的に起こりうることですが、
運転中にも"無意識のあおり"というものがあるようですね。
自分が意識しても相手には伝わっていないでしょうが、
前車に配慮した運転は出来るというのはとても素敵ですね。
私も普段から誰に感謝されなくても、相手への気配りや配慮を
忘れないようにしたいと感じました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました
VW日野万願寺 岩田遥奈
〇引用文献
1)佐藤寛明(2020).自動車乗車中のパーソナルスペースの検討ー大きさ・接近方法・距離感・性別に関してー
日本交通心理学会 交通心理学研究,36(1).10-21.
2)Sommer,R.(1959).Studies in personal space. Sociometry,22.247-260.